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2019.12.25 大田垣 成俊
【お客様向け基礎知識】髪質と合う色の関係性と、理想のヘアカラーの叶え方【ヘアカラー】

どうも、スタイリストの大田垣です。

 

先日は寒色、暖色についてお話ししました。

【お客様向け基礎知識】寒色系カラーと暖色系カラー【ヘアカラー】

今日は皆さんのカラーをする際の素材の話をします。

 

 

希望の色を見せたときに、「◯◯様の髪では、ブリーチ使わないと、ここまでグレーっぽくならないですねぇ…」みたいなことを言われたことありませんか?

 

残念ながら僕もよく言います。

 

カラーは水彩絵の具のようなもので、黒い紙に塗るのと、白い紙に塗るのとで、色の出方は大きく変わります。

 

日本人の黒髪は、

 

  • 青メラニン
  • 赤メラニン
  • 黄メラニン

 

この3つで作られていて、脱色した際には

 

壊れやすい>>>>>しぶとい

青>>>>>赤>>>>>黄

 

という関係にあります。

 

 

脱色を進める過程は以下の通り。

 

青が少し壊れて、赤、黄が残って、赤茶っぽくなり、

 

もっと脱色すると、赤が薄くなっていき、オレンジっぽくなったり、

 

最終的には黄色が残って金髪っぽくなる。

 

これが日本人の黒髪です。

 

 

ただし、人によってメラニンバランスに違いはあり、4パターンに分けられます。

4通りのメラニンバランス

特徴は以下の通り。

 

【青メラニンベース】

少数派。
マジで明るくなりにくい。
髪太め、硬めのことが多い。
髪が黒々としている。

 

【赤メラニンベース】

多数派。
色が抜けたときに赤み、オレンジ味が出やすい。
寒色系が入りにくい。
暖色系が入りやすい。
くせ毛、やや硬毛の人が多い。

 

【黄メラニンベース】

多数派。
色が抜けたら黄色くなりやすい。
寒色系が綺麗に入る。
暖色系も入るが持ちはいまいち。
ダメージを感じやすい。
髪細め、柔らかめの人が多い。

 

【灰メラニン】

日本人には少ない。
染める前から透明感のある髪。
油断したらすぐ明るくなる。
寒色が最強に入る。抜けるけど。
暖色は黄メラニンの人よりさらに抜けやすい。

 

 

まぁ、基本的には、赤メラニンか黄メラニンです。

写真だと分かりにくいけど。上の方が赤みが強いです。

 

で、赤メラニンの人にアッシュ(青)を入れるのと、

 

黄メラニンの人にアッシュを入れるのでは、

 

全然の入りやすさが違いますということ。

 

 

理想のヘアカラーの叶え方

 

Case. こってこての赤メラニンのお客様が、希望の寒色系の写真を持ってきて、「これ、ブリーチなしらしいですけど、出来ますか?」と聞かれたとします。

 

考えられる写真モデルの素材の要素は以下の通り。

 

①元々、黄か灰メラニンだった。

 

※適した素材へのアプローチ。最も理想系だけど、みんな出来る訳ではない。

 

②染める前から結構明るくて、それなりに赤メラニンが脱色されていた。

 

※条件付きだが、可能。このパターンがきっと多い。理想系だが、元の明るさによるので、人によっては出来ない。

 → 

 

③イルミナカラーのディープシーなど、激濃の青を店で扱っていた。

 

※店舗によるが取り扱う道具によっては可能。結構パワープレイ。色自体が濃いため、明るめアッシュは少し難しいかも?

 

 

④短いカラー周期で、アッシュの色素を残留させた状態で、アッシュを上塗りし続けた。

 

※計画性によって可能。コストと根気は要るが、向かない人に対しては、ダメージ面でも安定面でも理想系。

 

 

⑤実は写真の色温度を編集している

 

※論外。

壁の色、肌の色などを気を付けて見れば、見抜けたりします。

 

ただし、携帯のカメラは、勝手に色補正をしてしまうため、実際に見るものと色の見え方が異なることも多い。

 

なので「自分の見えた実際の色に編集で近付ける」というのは、よくやる。

 → (リアル編集) → (やりすぎ編集)

 

 

壁の色に注目。最初の2枚は壁の色ほぼ同じ。(2枚目の壁の色を、編集で1枚目に近づけた)

 

最後の写真は編集で、外国人風グレージュに仕立てるが、壁の色も変わっている。

 

携帯の編集機能で、このくらいは簡単に出来てしまいます…。

 

 

ネット上の写真はBeforeとの比較が無いことが多く、やりすぎ編集でも気付かれずに「この色キレイ!外国人風!!」ってなる事もあります。

 

サムネイルはそれを狙って、わざとやりすぎ編集の画像にしてみた(性格悪い)

 

つまり、そういう狙いの場合もあるもんです、世の中(笑)

 

勿論、リアルにこんな風に出来ている写真もあります。

 

 

嘘になるレベルでするのはだめ。正直に編集する。

 

(①のインスタの写真はどちらも編集していない。壁の色違うのは、カメラが勝手に色補正をしているため)

 

 

 

 

以上のことから、その方の染める前の状態によって再現方法が変わります。

 

しかし、写真のモデルさんの、染める前の状態は分かりませんよね?

 

①~④のどれかなのは確かです。⑤は除外。

 

写真の人は①で再現できても、こってこての赤メラニンの人は、①では再現できないのは確か。

 

②~④の中から選んでいくしかありません。

 

個人的には④が理想ですが。

 

 

 

 

 

向かないからやめましょう!ではなく、

 

向かないからこそ、それを知って、理想系に向けての正しい計画をしていくことをおすすめします。

 

 

 

とまぁ、結構、基礎知識にしてはややこしい話になりましたが、

 

結論、美容師さんとしっかり話し合って、1回で可能なのか、計画を立てて再現していくのか、決めていく必要はあると思います。

 

自分のメラニンタイプを知って、理想のヘアカラーへの計画をしっかり立てていきましょう!!