どうも、スタイリストの大田垣です。
今回は、本気で書きます。情報量多め。お付き合いください(笑)
段々、暖かくなってまいりましたね。
現在、風もあって丁度いい気候ではありますが、太陽が苦手な僕としては、夏は来てほしくないものです。
で、そんな暑くなってきた時期に気を付けないといけないのが、紫外線ですね。
古いデータになりますが、これは期間平均の、広島の紫外線量のグラフになります。
出典:気象庁
見て分かるように、5~8月にかけてが強くなっていますが、
データの最終計測、2008年と現在を比べると、明らかに日差しが強くなっているので、
このデータよりももっと高い数値であることは容易に予測できますね。
つまり、4月~9月までは油断ならない。ということです。
紫外線が髪に与えるダメージ
「紫外線は髪によくない」というのは漠然とご存知かと思います。
具体的にいえば、
- 水分保持力の低下
- ツヤ、滑らかさの低下
- カラーの褪色の原因
主にこの3つ。
え?それだけ?と思ってしまいそうですが、よく考えてください。
髪に潤いがあって、ツヤ、滑らかな手触りだったら、そりゃもう、美髪です。
この3つがダメージの全てですからね。(笑)
水分保持力の低下
紫外線の厄介なところは、貫通力です。
当たっているのは頭の表面かもしれませんが、その照射されている表面の髪、1本1本の内部まで影響を与えます。
髪の内部には、水分を蓄えるタンパク質(間充物質)があるのですが、ここまでしっかりダメージを与え、水分保持力を奪っていきます。
水分を失った髪は、硬くゴワつく髪になってしまいます。
ツヤ、滑らかさの低下
これは主に毛髪の表面の話。
紫外線に当たると、まず、キューティクルを守る役割である、髪の表面の油性皮膜が駄目になっていきます。
その皮膜は、18-MEAという成分ですが、これは一度失われると、勝手に補充されることはないので、使うアイテムによって補充する必要があります。
油性皮膜が駄目になると、キューティクルが駄目になり、これら、いわゆる鉄壁の防御壁が失われることで、ツヤ、滑らかさが失われ、
より一層、内部ダメージが進行しやすくなります。
カラーの褪色
カラーが作用するのは、主に間充物質に対してです。
間充物質がヘアカラーの色素を留めておく役割があるのですが、
肝心の間充物質がダメージを受けると、色素は破壊されてしまいます。
加えて、キューティクルも損傷しているので、髪の中身が一層抜けていきます。
紫外線で気を付けるべきことと、組み合わせ
紫外線に当たるのは、正直、どうしようもないです。
できることは、「影響を減らすこと」。
日傘を差したり、帽子を被ったり。
ただし、帽子も頭皮の温度が高まり、汗で蒸れたりして、頭皮に良くないのであまりお勧めしません。
仕事でヘルメットを被る男性のお客様で、
「上司、大体禿げていて不安ですけど、一人、フサフサの上司がいて。
その人に聞いてみたら、こまめにヘルメットを洗っているらしくて、僕も真似してます」
って話を聞きました。菌が繁殖するんでしょうね。
帽子で紫外線対策をされる方は、帽子もこまめに洗うことをお勧めします。
紫外線×水(×塩)=やばい
濡れた状態で紫外線を浴びると、ヒドロキシラジカルという活性酸素が爆増します。
難しいことは言いません。「活性酸素=酸化=老化=ダメージ」だと思ってください(笑)
そこに海水、プール、汗など、塩素的な要素が絡んでくると、よりパワーアップ。
間違っても、半乾きで紫外線を浴びないでください。髪はお亡くなりになります。
「ゆーても、海とか行きたいじゃーん!!」って方に一言アドバイス!!!!
何かを得るには、何かを失うこともあります。
諦めましょう(笑)
何なら、海は砂浜の照り返しもあり、紫外線自体がパワーアップしています。
焼け石に水かもしれませんが、せめて、海水浴場にある微妙なシャワーで、めちゃくちゃしっかり塩素を落とす努力はしてみましょう。
近場に銭湯とかあって、シャンプーできれば尚良し。
紫外線対策の方法
ここまで、憂鬱になる紫外線の話をしてきましたが、まとめると、
- 内部ダメージがある
- キューティクルダメージがある
- 上の2つがあるからカラーの持ちも悪い
でも、紫外線を浴びないことは不可能!!なので、
日傘や帽子などで「影響を少なくすること」を心がける。
ただし、帽子は頭皮に悪影響の場合もあるので、こまめに洗う。
そして、1番まずいのは、濡れた状態での紫外線。
これらを酌んで、美容院でできるアドバイスといえば、
- 髪を乾かすこと
- 内部ダメージを補修できるものを使うこと
- キューティクルダメージを補修できるものを使うこと
そして、意外と盲点。
- カラーの褪色を楽しむこと
ということで、さらに詳しく解説します。
髪を乾かすことと、ありがちな勘違い。
もしかしたら、今回の記事で一番強調したいことかもしれない。
ありがちな勘違いを紹介します。
「扇風機で髪を乾かしてます♪」
働いていると、マジで結構聞きます。
髪乾かしているからオッケー♪みたいなテンションで言われます。
これね、
すばやく自然乾燥しているのと同じですからね?
自然乾燥が駄目な理由
キューティクルは
こんな感じです。画像の下側が根元。上側が毛先だと思ってください。
髪が濡れている状態は、右側のイラストの状態です。
濡れると、髪の内部が膨らみ、右図のようにキューティクル(という名の防御壁)が押し上げられます。
自然乾燥をするということは、このままの形を形状記憶させると思ってください。
洗濯物を洗濯機から出して、そのまま乾かして、シワシワになる。そんな感じ。
乾かす際に大切なこと
洗濯物を干す前に、予めパンパンと叩いたりして、シワを伸ばしておくように、
乾かしている間も、手を加える必要があります。それが、
手グシと、風の向きです。
右の図のキューティクルを閉じるには、
① 根元から毛先に向かって、手グシを通すこと。
② 根元から毛先に向かって、風を当てること。
これで左の図のような状態になります。方向が大事。
閉じたキューティクルは、ツヤや滑らかさを演出してくれるだけではなく、
外部からの刺激から守ってくれる防御壁にもなってくれるのです。
僕らが言う「乾かしてくださいね」も考え物ですね。
本当は「乾かすこと」が目的ではなくて、「キューティクルを閉じた状態を形状記憶させること」が目的です。
そのために手段として「乾かして形状記憶させる」んですが、肝心の「キューティクルを閉じた状態で」というのは、
手グシなど、物理的に押さえつけるしかありません。
扇風機で乾かすときに、手グシは通しますか?通しませんよね??
ドライヤーも同様。
風量のあるドライヤーは風の向きだけでも少しサラサラになりますが、やはり手も通してほしい。
風量の少ない熱くなるだけのドライヤーで手がサボっていたら、やはり温風で自然乾燥させているのと同じです。
厳密に言えば、自然乾燥でダメージすることはありませんが、
自然乾燥で、防御力を低下させ、ダメージしやすい髪を作ってしまうのです。
内部ダメージを補修できるものを使う
これはシンプルにシャンプー、トリートメント等ですね。
しっかり内部補修のできる、ちゃんとしたシャンプー、トリートメントを使用することをお勧めします。
海水浴や、キャンプなど、楽しんだ後日に美容院でトリートメントをしてあげることが理想的です。
キューティクルダメージを補修できるものを使う
キューティクルダメージの補修に最適なものは、洗い流さないトリートメント(以降:アウトバス)です。
アウトバスは特に毛髪表面の保護に特化しており、内部補修に関してはやはり、流すトリートメントの方が優れています。
先述したように、紫外線に髪の表面の油性皮膜(18-MEA)がやられ、キューティクルを守る機能が低下します。
そして、その皮膜は自己再生しません。
なので、自主的に補う必要があるのですが、それがアウトバスの役割でもあります。
PROSOLで自社開発をしている、ヘアケアシリーズ、La nani(ラナニ)オイルは、この18-MEA(原材料名では、“分岐脂肪酸”と表記)を含んでおり、
しっかりキューティクルを守り、滑らかな髪に導きます。
ちなみに、この18-MEAは、非常に落ちやすく、
紫外線だけでなく、1回のヘアカラーで80%、1回のパーマで50%ほど失われる。とも言われています。
実は、ヘアカラー人口が非常に多い昨今では、こういったアウトバスは、多くの方が使うべきアイテムなのです。
紫外線による褪色とカラーの考え方
紫外線に当たると、ヘアカラーは褪色しやすくなります。
もう、こればっかりは仕方ないです。(笑)
「褪色」という言葉に対して、あまり良くないイメージをもたれるお客様も多いですが、実際は如何なのでしょうか。
「明るくなるのが嫌!!」という意味合いでの「褪色したくない」であれば、確かに褪色は良くないですが、
色の面で言えば、最近のカラー剤は染料が濃く作られているので、褪色している色も綺麗で楽しめるかと思います。
実際、僕もカラーの提案をする際に、
「今回は濃く色を入れさせてもらうから、仕上がりは少し暗いって感じるかもしれないけど、
1週間後くらいの褪色したときの色味が絶対好きだと思うから楽しみにしていて」
とか言います。
そうやって褪色したときの色味を狙うこともありますので、決して「褪色は悪だ」とは思いません。
暑い時期は日差しが強い分、光の影響で自然と明るく見えたり、透明感も出やすくなります。
美容師さんによって、好みは分かれるかもしれませんが、
希望の色を長持ちさせたい方は、希望の色味より、少し濃いめ(暗め)に染めることを僕はお勧めします。
褪色を本気で遅らせたい方へ
とはいえ、褪色を楽しんで!!と言っても、猛スピードで褪色してしまって、一瞬で元通りになってしまっては、楽しめたもんじゃありません。
そこで、本気でこだわって欲しいのがシャンプーです。
シャンプーの洗浄力が原因で、髪の内部の色素まで洗い流してしまうこともあります。
こちらをご覧ください。
2本の毛束を、ブリーチ剤で脱色した後、濃い青のカラー剤(オルディーブアディクシー)で染めました。
それを、市販のシャンプー、自社開発のLa naniで、
洗う→乾かす→洗う→乾かすを繰り返して、色の抜け具合と、まとまりを比較した実験です。(トリートメントは使っていない)
結果は言わずもがな。
続いて、赤系も同様にしてみました。
どうでしょうか。シャンプーだけです。
色の抜け方も一目瞭然。
毛の状態も一目瞭然です。
「わざとか!!」って思われるくらい、あからさまに広がったりしていますが、
これが市販シャンプーと、美容院シャンプーの違いの真実です。
「美容院で染めたのに、色がすぐ落ちてしまった!!」という方は、
使うアイテムの見直しも検討していただければ…と思います。
365日、使い続けるものだからこそ、良い物を積み重ねていただきたいものです。
紫外線と、シャンプーの洗浄力のダブルパンチで、褪色を加速させてしまわないようにしましょう。
まとめ
さて、これからやってくる。というか、既にやってきている紫外線の季節。
「紫外線を浴びると髪はどうなるのか」という話をさせていただきました。
それに対して関連する、おうちでのケアの見直しのお話をしました。
扇風機で乾かしていないですか?
日々の生活の中で負ったダメージを、その都度、回復させてあげていますか?
褪色も楽しめていますか?
なかなか美容院に足を運べない現状、お客様には負担をかけますが、しっかりしたセルフケアを心掛けていただき、
このダメージしやすい暑い時期を乗り越えていただきたく思います。
最終的に、なんだか、La nani ヘアケアシリーズをゴリ推しする内容になってしまいましたが、
それだけ、PROSOLがお客様のニーズに応えるために開発した、自信を持ってお勧めできるヘアケアアイテムとなっています。
紫外線で悩まされるこの季節でも、素材美を守るためにも、今一度、ご自宅でのケアを見直していただくキッカケ、参考になれば…と思います。
では、皆さんに元気でお会いできるのを楽しみにしております♪