どうも、スタイリストの大田垣です。
突然ですが、お客様から
「美容師さんって自分で髪切るんですか?」
ってよく聞かれます。
不思議なことに、「髪は誰が切るんですか?」という文言より、「髪は自分で切るんですか?」と聞かれる事が圧倒的に多い。
些細な表現の違いにしても、
「誰?」という自分を含んだ不特定多数の選択肢が与えられるのか、
「自分?」という特定された答えに期待しているのか、
そこには大きな違いがあり、お客様側の何らかの隠された心理を感じます(笑)
そういえば、何年か前にこんな記事も書いていました。
これは、前髪と、上の方のキノコ化している部分を切っています。正面から見えている部分。
で、やってみて思ったのは、
「まぁ、出来んこともないね」
ただし、目で見ながらできる部分ですから、しっかり確認しながらやれば可能です。
今回は後ろが限界でした。ここをとにかく、どうにかしたかった。モサモサ。
ただ、後ろのセルフカットは未知。目に見えませんから。
「映し鏡ですれば見ながらできるじゃん!!」って意見もあるかもしれませんが、やってみて分かったこと、
いざ切るとなると、自分の腕が邪魔して一切見えない。
カットのスタート地点(襟足の長さ)と、ゴールの長さ(表面の長さ)、丸みの出し方をしっかりイメージしておきます。
自分の骨格を確認しながら、分け取り、切っていきます。
ハサミは絶対に無理。レザー(専用カミソリ)でぼかしながら、彫刻する感じで形を作っていきます。
実際に刃を入れる前には、髪の持つ角度や、レザーの振る角度、髪に対してのレザーの角度など、少し素振りをして確認します(笑)
「これだ!!」という素振りができたと思ったら、切っていきます。
「自分が今、こういう風に動けているな」と客観的なイメージを持ちながらレザーを振ります。
レザーでの長さを切り終えると、スキバサミで、これも素振りをしながら入れる向きを決めます。
仕上がりはこちら。
お?悪くないんじゃないか??
アップするとこんな感じ。
この写真でも、耳後ろから襟足にかけて多少の切り残しがあったので、そこはハサミの素振りをしながら切りました。
結論:切れた
ただ、それなりに器用だと思っているうえに、「こういうスタイルだから切れた。」「レザー使ったからできた。」ってのはあります。
本気で、進んでやるものではないな…と思いました。
時間も、神経も、間接も、脳みそも、消耗が激しい。
「自分で切っているんですか?」と聞く理由のなかに、
セルフカットに対して一縷の希望を馳せる方もいるのかもしれませんが、
多分、絶望します。
良い子の皆さんは真似しないでね!!!!