どうも、スタイリストの大田垣です。
先日のカットの話。
お客様はとにかく多毛で、鎖骨くらいまで長さがあり、少しクセもある髪質。
日頃からストレートアイロンを使うので、毛先は熱変性により硬くなっている状態。
それも相まって広がりやすくなっていました。
で、お客様的には顎くらいの収まるボブにしたいんだけど、
そこまで切るとボリューム感が出過ぎたり、横に広がるため、今まで上手くいった試しがなく、
結局、肩に付くか付かないくらいの外ハネに行き着くらしい。
僕も今まではそういうオーダーをいただいていたので、ボブにチャレンジしたいというのは初耳でしたが、
「大丈夫なので是非チャレンジしましょう」と勧めてみました。
先に仕上がりはこんな感じ。
とってもカラーしたいけど、今回はカットのみです(笑)
一応、乾かし方にコツはありますが、手で乾かした状態でも跳ねたり広がったりせず、ほぼこんな感じです。
今後はこれを前下がりにしていく予定。
で、カットに関してですが、
僕はハサミを4丁(内すきバサミ2丁)、レザーを1本を駆使して、適材適所で切り替えてカットします。
ボブ~ショートのお客様にはレザーを使う事が多いですが、
軟毛さんはクセの有無、関係なくハサミ。
硬毛さんのクセなし~少しクセはレザー。クセが強い場合はハサミ。
普通毛さんも硬毛さんとほぼ同様。
そういう使い分け。ここで説明すると長くなるので言いませんが、勿論、明確な理由もあります。
レザーの切り口は特徴的で、先細りになります。
同じデザインを求めたとしても、左レザー、右すきバサミ。大体こういう違い。
(雑で申し訳ないw)
ここに「もっと減らしたい」となると更にスキバサミを入れたり、スライドカットというものを施したり。
クセが無ければスキバサミで効率よく追加で量を取りますが、今回は少しクセ毛の方なので、スライドカットを施しました。
これらの違いですが、
スキバサミで量を取ると、効率的に量は取れます。が、アバウト。
対してスライドカットは、毛流れを作りながら量を取ることが出来ます。
つまり、クセの動きを見ながら、スライドカットによる毛流れで、クセを相殺するアプローチになります。
このように素材をしっかり見極めた上での適材適所の道具、技術を選択し、デザインを作っています。
「今までどこで切っても良いように出来なかった」と言われる事を克服できるのって、技術者としてとても嬉しいです。
勿論、出来ないものは出来ないと言いますが、諦めきってしまう前に一旦、是非、ご相談下さい♪