どうも、スタイリストの大田垣です。
前回のブログで「ボブの多様性」について話しました。
まとめるとボブにも沢山あって、一つのボブに対して、「グラボブ」という人もいれば、「ショートボブ」っていう人もいて、境目が曖昧だから、
「肩に付かないくらいの〇〇ボブで」って言葉よりも、「こんなボブで」と写真を使ったオーダーの方が、カウンセリングで上手く伝えられますよ!って話。
ただ、この写真を使った共有、落とし穴が何個かあります。
ボブの落とし穴、その1 : 首の長さ
美容師がヘアカタログを作る際、誰を撮るのか決めるのですが、だいたい首が長い。
首がね、長いのです。(強調)
何故そうなるかというと、「キマるから」です。
それが何故失敗に繋がるか。ここからは似合わせの話にもなりますが。
例えば、ボブを作る際に1つの基準となるのが、「アゴ」。
アゴくらいか。アゴより長いか。アゴより短いか。
ただ、「アゴより短い」というのが、「顔が出るくらい切るのは勇気がいるのでは?」と思われがちでハードルが高く感じられやすい。
多くの方が「アゴよりは長く…」となる気がする。
これはGoogleで「ボブ」と検索した感じ。
例えば、右下や右上。
首の長さが一般的~短い方で「アゴより長くしたい × ハネるから肩に付きたくない」という希望の人が、これを参考にするとミスする場合がある。
何故ならこの2人は特別首が長い。
美容師さんがお客様の声を汲んで切ったとしても、「なんか切られ過ぎたかも」とか、「すぐ肩に当たってハネた」とかになりやすい。
これはアゴ~肩までの長さの選択余地の違いによるもの。
とても大切な似合わせ知識ですが、首が短い方がこういうスタイルをすると、首回りがとても窮屈な感じがして、似合わない場合が多い。
ざっと描いた雑な絵ですが、極端に描くとこんな感じ。
首の長さだけ変えて、「アゴ下 × 肩につかない」を汲んだ形です。
髪の長さは同じでも、やはり見え方は違います。
左の方は、アゴ下でも、結構アゴぎりぎりの長さになって、「切られ過ぎたかも」と思われるパターンにもなるし、
一か月後には肩についてハネて「もちが悪かった」と思われる可能性もある。
そして窮屈。
ではこの人にとっての首が長く見えるスタイルって?似合うボブって?となりますよね。
ポイントは「首を出すこと(いっそアゴより短くする)(肩までの余地を作る)」
先ほどの落書きでいう所の、〇に注目。
左の人にこの〇を作ってあげることが大切です。
その為には「アゴ下の長さ」という希望を切り捨てる必要がありますが。
これはカウンセリングの際に美容師側も確認しないといけない事ですね。
あとは
(彼女も首長いけど)
全部同じ長さではなく、表面の毛が少し短く、襟足回りに空間を作る。
ボブは横に広がりやすいスタイルなので、こういうことでなるべくスッキリみせるのが大切。
勇気を出して切った方が似合うのです!!!
ということで、グラデーションボブ、ショートボブは結構おすすめ。(前回のブログ参照)
それでも切りたくないー!って人は、外ハネさせて首を出すことも首が長く見える手法です。
前回でいう所の、「レイヤーボブ」ですね。
写真を使ったカウンセリングでも、そういう首の長さに騙されることはあります。
「なんか思っていたのと違うなぁ…」を言語化すると、こういう部分が関係している可能性は十分あります。
ボブを選ぶ際の参考にしてみて下さい。
このボブ論議、まだまだ続きます(笑)