どうも、スタイリストの大田垣です。
今日は少し道具の話。
美容師がカット技術をする際に用いる手法として、「シザーカット」と「レザーカット」という2種があります。
ハサミか、カミソリか。
今となっては「シザーカット」が主流になっているのか、当社においても教育で学ぶのは、ハサミを用いたカットのみです。
「レザーカット」に関しては、教本を買って読んだり、講習でみたり、独学で学んでいます。
美容師一人ひとりの考え方はやはり統一ではなくて、
例えば、ハサミ1丁で全てやる!みたいな人もいれば
ハサミ何丁も使う人もいたりして、
どちらが良いか、どちらが上手いかって話ではなくて、ポリシーみたいなものだと思います。
「ハサミ1丁でやる人のほうが凄い、上手い」みたいに、上手い下手での考え方を持つ人がいると面倒ですが、
そういった点で考えると、僕個人に関しては、「適材適所」って言葉が結構好きなので、
「色んな道具をそれぞれの有効なシーンに、キチンと選べて活かせる」という職人に魅力を感じます。
つまり僕は、
五刀流ですね。
(ベースカット用のハサミ、質感調節用のハサミ、スキバサミ×2種、レザー(両刃))
総額?知りたくないです(笑)
レザーを使おうと思うまで。
結構単純です。
講習に行って、よく有名美容師さんがデモンストレーションをしてくださるのですが、
その時にレザーを使っている人がとても多かったから、
「へー、レザーって良いんやな」って思ったのがキッカケ。
何が良いかどうかは分からず、使えるものは使ってみよう精神です。
そこから教本を買い、DVDを買い、マネキンを納得いくまで切り、シザーとレザーの違いを実感し、自分の中での使いどころを決め、
実際に利用するに至っています。
レザーカットのメリット
やはり、レザーとシザーでは、同じスタイルを作っても全く異なります。
一番は質感ですね。毛先が先細りになって、とても柔らかく動きます。
ショートの襟足の作り、顔周りの動き、ボリューム部分の引き締めなど。
強い癖毛には対応出来ませんが、弱い癖は刃を入れる方向を変えれば、むしろコントロールできます。
美容師サイドで言えば、削ぎと土台作りが同時にできるのも、時間短縮で助かります。肩も凝らない(笑)
レザーカットのデメリット
結構、お客様の中には「レザーカットは傷むから嫌」という方もいます。
でも、実際はそんな事は無くて、傷むのは原因があります。
- 髪質が合わない場合がある。
毛が細くて少ない、クセがとても強い人には合いません。
- 切る際に適さないスタイルがある。
ワンレングスのようなカットのラインを綺麗に出すスタイルや、重ためのスタイルはシザーの方が適します。
- 刃の切れ味が悪くなっている
普通は1人切るのに1~2枚消費します。
レザーを使えば使うほど、僕の財布も軽くなりますが、僕がケチったら傷みます。
- 切る時の髪の状態が適していない
しっかり濡れている状態がベストです。乾いている時でも、髪がドライヤーの熱を保って柔らかい時は大丈夫。
- 使い手が下手
腕の使い方、刃のストローク、挿入角度、毛髪の見極め次第。
どうでしょう。つまり、
デメリットは全て、美容師側の管理不足や知識・技術不足って言っても良い。
それらをしっかりケアできて、適材適所を貫けば、レザーカットは大きな武器になります。
デメリットは、「レザーだから」ではなく「レザーを美容師がどう使うか」に左右されるのです。
レザーで切るスタイルはこんな感じですね。
↑ ストレートパーマ後のショート
↑ 絶壁に奥行きを作るショート
↑ クセを抑えて手グシで流れるショート
うーーーん。分かりにくいんですかね。
特にこういう「首に沿わせたい」とか、「軽い感じで収めたい」とかドンピシャです。
マネキンで比較すりゃ良いんだけど、それはまた機会があれば。。。
一応、レザーで初めて切る際は「使って良いですか?」って確認は取らせていただいております。
そういう場合は「使って切った方が良いな」って思っている時なので、是非、チャレンジしてみてください(笑)