どうも、スタイリストの大田垣です。
今日は骨格補正について。
そもそも骨格補正って?
実はカットやスタイリングって考えることが色々あって、
とりあえずアシスタント時代にはマネキンを使って、ヘアスタイルの切り方を知っていくんですけど、
マネキンって頭小さいし、ハチ周りも出ていないし、後頭部は丸いし、
マネキンみたいな「頭の形」や「生え方」の人に出会った事は
一度たりともありません。
マネキンって根本の毛の生え方も変なのはあるけど、かと言って、切りたいデザインを作る上で影響が出るくらいヤバいクセがある訳でもない…。
マネキンのつむじは、ちゃんと決まった位置に1つしかありません。
スタイリストになってから感じるのは、マネキンのカットって基本的な切り方や正確さを知る上で、とても有効とは思いますし、必須なのは間違いないですが、
マネキンへのカットをそのまま実際の人に実践しても、ズレていくことが多々あるということ。
頭の形と生え方を見てみた例。
こちらはとあるイケメンズの頭の形を真上から撮影したもの。
形が分かるように、綺麗にといています。
どうですか?
これをマネキンのカットのように、全て同じ長さで切ってしまうと、様々な不具合が出てきます。
残すところは残す判断、
切るところは切る判断。
凹んでいる部分のボリュームを確保するには、長さを残すべきか、切るべきか。すき方を工夫するか。
つむじ周りの毛をこれ以上ボリュームを出さないためには、切らないべきか、どの短さから立ってしまうのかを見極める。
上から見たときはこの形だけど、横から見たときに他に注意するべきことはないか、
色んな角度から頭を立体的に捉えて、毛の動きを予測し、調節をする。
実はそんな感じで考えながら切っています。
前髪につむじがあって分かれてしまう人に、前髪を作ってあげるには?
ショートで襟足が上に向かって生えて浮く人の襟足を綺麗に収めるには?
確かにハサミでできる限界もあるかもしれませんが、
やり方を知らないだけで、工夫次第では対応できることはたくさんあるんだと思います。
そう思わないと、技術の成長はすぐに終わるんだと思っています。
ま、それは良いとして、、、
骨格補正後の仕上がり例。
仕上がりはこんな感じ。
つむじ周りはこれ以上短くすると、立ってしまうので切りません。
凹んでいるところはワックスで散らすので、長さはある程度残しつつ、
ボリュームを出すために、すく長さを立つくらいに設定して、それを土台にボリュームを出す。
なので、左右の長さ、違います。
家で髪を触ったり、引っ張り出してみると、
「右のが長いじゃん!駄目じゃん!」
「なんか、左右で量が違う…。」
そう思われる人もいるかもしれませんが、
もしかしたらそれはミスではなく、美容師さんのそういう創意工夫なのかもしれません。
スタイリング後。
彼は前髪を上げるか下ろすか迷っていたけど、
Instagramのストーリーでアンケート取ったら、圧倒的に下ろす派が多かったです(笑)
8:2くらい。
ちなみに僕も自分でやっておきながら、光の速さで下ろすに票を入れました。
ということで、H君、下ろそ!(笑)