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2021.05.27 大田垣 成俊
【髪質改善に関わる話】パーマとカラー、どっちが傷むのか。

どうも、スタイリストの大田垣です。

 

前回までの話は、

 

髪質改善って要は前処理、後処理の考え方ですよー。

 

で、その前処理、後処理って重要なんですよー。

 

って話でした。

 

 

今回は、前回チラッとお話しした、

 

髪のダメージの1番の原因は、実はパーマやカラーです!!

 

という事について詳しく深掘りしていこうと思います。

 

pH値について

 

まず、髪を扱う上で超重要なこと。

 

それがpH(ペーハー)。

 

酸性とかアルカリ性とかですね。

 

7が中性。1に寄れば寄るほど酸性が強く、14に寄れば寄るほどアルカリ性が強い。

 

 

髪の毛のPHは、およそ5.5と言われており、弱酸性。

 

髪はPHの影響を受け、5.5を基準に、、、

 

酸性が強くなると、収れん。キューティクルが引き締まる。ガシッと硬くなる。

 

アルカリ性が強くなると、膨潤。キューティクルが開き、膨らむ。トロッと柔らかくなる。

 

 

これらの特性を使って、パーマやカラーでは、髪をアルカリ性にすることでキューティクルを開け、そこから薬剤を中に浸透させるのです。

 

カラーやパーマでアルカリ性になった髪はその後どうなる?

 

アルカリになった髪はその後どうなるでしょうか。

 

勝手に弱酸性に戻ってくれたらいいけど、そういうわけにもいきません。

 

幸い、中性である水によって、ある程度のPHは戻せるかもしれませんが、中性に晒したところで弱酸性まで戻るはずがありません。

 

 

それどころか、

 

pH=11の液体と、pH=7の水を1:1に混ぜたら、間のpH=9になるのか?といえば、

 

なりません。せいぜい、9.5~10くらいではなかろうか。

 

数値が高ければ高いほど、戻すのにも力が要るのです。

 

 

 

なんなら、弱酸性の髪を基準に考えると、中性自体がアルカリ寄りなので、水に濡れていること自体が不自然な状況なのです。

 

 

アルカリは、なにもしなければ残ります。(残留アルカリ)

 

アルカリの状態で日々を過ごすとどうなるか。

 

キューティクルは開きっぱなし。

 

ということは、髪の中の栄養やら色素は抜けやすいし、外からの刺激も受けやすい。

 

加えて、弱アルカリという環境は、実は汚れが溜まりやすく、菌が繁殖しやすいので、不衛生にもなりやすいのです。

 

 

パーマとカラー、どっちが傷むの?

 

これは一概には言えません。痛む場所やメカニズムが違います。

 

パーマ剤はpH=8~9くらい。

 

カラー剤はpH=9~11くらい。

 

メーカーや製品によっても異なります。

 

パーマのダメージ

 

実はphはパーマのほうが小さいです。あれだけアルカリの話をしておきながら、カラーほどキューティクルを開く必要はありません。

 

しかし、パーマはpHによるダメージだけではなく、テンション(引っ張り具合)などによっても左右されます。

 

髪の結合を切って、再結合させることで形状記憶をさせるのも特徴。

 

ツイストパーマを想像してみてください。雑巾絞りしながら繊維を切って、くっ付けるようなもんですから。

 

傷まんわけがない。

 

 

 

(↑ 友人に優しい雑巾絞りヘア。)

 

 

カラーと違って”動き”に直結するので、痛んで感じやすい部分はあるかと思います。

 

 

縮毛矯正ともなると、切ってくっ付けて…に必要なパワーも格段にあがりますし、そこに熱も加わる。

 

デジタルパーマも、縮毛矯正ほどのパワーは要らないにしても、熱ダメージが加わります。

 

 

アルカリが残留している他に、再結合が甘い、結合を必要以上に切り過ぎている。

 

簡単に言うと、内側のダメージで、中のたんぱく質が流れ出やすい。場合によっては熱を加える。

 

カラーとは違う、このあたりがパーマにおけるダメージです。

 

結合系のダメージは、髪がビヨンビヨン、ゴムみたいになりがち

 

有効なケアとしては、ケラチンや、ヘマチンなど、芯に関わるタンパク質を補充し、強度を高めてあげることです。

 

 

カラーのダメージ

 

カラーはパーマに比べて、pHの数値は少し高め。それだけ、キューティクルを開かないと、色素が入っていかないのです。

 

その上で、髪の中にある間充物質(脂質層)に影響を与えます。文字どおり、髪の中身を満たしている部分です。

 

黒い色素であるメラニンを破壊することで脱色し、その空いた隙間に色素を入れることで髪が染まります。

 

その色素が抜けてしまうと、再び空洞化し、それがパサつきの原因となります。

 

 

どんなにパサついても、染めたては綺麗なのは、その空洞が色素で満たされているからです。

 

 

明るくすればするほど、破壊されているメラニン量が増えているので、空洞は増え、痛みます。

 

 

キューティクルを開く分、外側に負担がかかりやすく、加えて脂質層のダメージもある。

 

これがカラーのパサつき。

 

 

ブリーチが痛むのは、この破壊力がずば抜けているからですね。

 

 

カラーによってダメージした脂質層のケアには、セラミドなどが含まれているケア剤が有効であり、

 

オイル系や、クリーム系のアウトバスでキューティクルを補強してあげるのも重要です。

 

 

まとめ

 

話しているうちに、髪質改善のメニューとはあまり関係ないように感じてしまいましたが、、、

 

アルカリの調節も、脂質層のケアも、芯の補強も、しっかりできます。

 

 

カラーとパーマはそもそもダメージのメカニズムが違うので比較は出来ません。

 

 

「どこがどのように傷むのか」によって、有効なケア手段が異なる。

 

 

これだけ知っていただけると、頑張って書いた甲斐があります(笑)