出会ったのは3月初頭。
グレー色の髪をした方で、「髪を真っ白にしたい」というオーダー。
話を聞いていると、今までは「ブリーチした髪に青を入れて、色が抜けたら白に近付く」という話でしていたらしく、
どうやら、青さが抜けて、グレーが残ってしまったようです。
僕は、結構、アシスタント時代にクリエイションやら、その手伝いやらで、変わったカラーもしていたし、
営業でも、自分のお客様じゃなくても、頭の中で薬剤の配合は常に予想し、実際にスタイリストがした薬剤のレシピで答え合わせをし、
「この色を少し混ぜるのは、何故なんですか?」とか、結構質問していた…と思う。(笑)
やってて良かった…と心底思いました(笑)
毛先に残ってしまっているグレーは、可能な限り抜かせてもらい(傷むけど)、
持っている知識で白っぽく染め上げてきました。
通常なら黒髪に対してブリーチを2~3回ほどし、極限まで明るく染めます。(それでもやや黄色い)
シャンプーでブリーチを落とした後、超薄めた紫を入れる。
まぁ、これが定石。
最初は定石どおりしたのですが、
どうやらお店で使っている紫が、少し赤寄りの紫だということが分かり、
超薄めた紫に、赤みを消す緑を超薄めて入れてみたところ、
さらに白く。
そしてさらに、欲張って考えたところ、「赤とか緑って、結構、色としての主張が強いよなぁ」
「少し青を入れて、モノトーンの領域に近づけた状態で彩度をコントロールできたら、もっと安定するかもしれない」
来店の度に試行錯誤をしながら、先日、たどり着いた白さがこちら。
こ・・・これは・・・・・・・・・・・!!
割と極限なんじゃないか??
まぁ、ダメージはありますけど…。
毎月来てくださるのですが、実は3回目のご来店以降は、ブリーチ1回+オンカラーしかしていません。
根元はやや黄色いですが、連続ブリーチで頭皮や髪に負担をかけたくはないので、
とりあえず、「伸びた黒いところ」と、「1度ブリーチして黄色くなっている、前回は根元だった部分」までを一緒に塗布。
前者は黄色い状態でいったん打ち止め。
後者はこれで2回ブリーチしたことになり、白くなる条件を満たしてくれます。
いやぁ。でも、もっと試行錯誤はしていきます(笑)
んで、これを以て後輩たちにも伝えたいのは、「思考停止はするな」ということ。成長を妨げます。
いかに自分を、客観的に、俯瞰的に見るか。分析するか。どうしてこうなった。どうしたら修正できるか。
もしかしたらこうすれば…。試しにやってみよう…。
そんなことを考えながら技術に臨むべき。
人間のやることなんて、理屈に合わないことは起きないですからね。
たまたま出来たことを、狙ってできるようにならないと、上手くなったとはいえない。
狙ってできるようになるには、自分なりの答えを出すしかないんですよね。
もう少し薬を優しくして、クオリティを落とさずにここまで白くできないか。それが次の課題です。
放置タイムはどうか。塗布量はどうか。使う薬剤のアルカリの多さはどうか。
もう、自分の仮の答えは出ています。
まだまだ満足していません!!